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ショートストーリー「恋と心と僕」

「恋と心と僕」 著 G.O.S.

恋って漢字をばらして考えると「亦」と「心」という漢字の二つに分かれるのを発見したとき、あぁ、だから、恋っていうのは、なにやらよくわからないものなのかと一人で勝手に納得してしまった。つまり、誰かの心を求めて、それを愛でては、捨てて、また、違う誰かの心をもとめて、それを愛でては、また捨てて、また違う心、また違う心、亦心、亦心、亦心って、螺旋階段を上ったり下りたりしているようで、目が回って仕方がないとおもうのだが、人ってものは、その行為自体は飽きずにほいほいゴキブリみたいな迅速な気持ち悪い動きで、菌を数え切れないくらい抱えて、亦心、亦心、と求めて求めて求めて求めて、あぁ、それが恋っちゅうもんなのか、と思うと、僕はなんともはがゆいというか、僕という一人の人間が、その摂理に則ってない、いいのか、それは、それは本当によろしいのですか、でも僕は僕であって僕でしかないわけで、恋ってものを考えるのだった。

僕は久しぶりに、「心」と書いて、「しん」と読む名前の幼馴染の女と、なにやらほこりが妙にまっていて、空気も悪く、日の光もあんまり入らないのだが、へんにアンティークな明かりと店の雰囲気が、まぁ、なかなか評価できる、でも、一番評価できるのはコーヒーの味である、「ボルジュボルジュ伊藤」という、もう何を主張しているのかさっぱりわからない店名でなぜか「佐藤」さんが経営している喫茶店の窓際一番奥のテーブルで、いやあ、本当に久しぶりに会う約束して、今はおいしいコーヒーをブラックで飲みながら会話をしている最中。

いやぁ、ひさしぶりだね、仕事のほうは、どのような按配なの、とたずねると、まぁぼちぼちよ、と普通の回答がきて、そうか、それならよかったと僕。少しの沈黙の後、そっちはどうなのと聞かれたので、まぁ、ぼくもぼちぼちだよ、なんてやっぱり普通の回答をしてしまったのであって、いけないこれでは会話がまるっきり弾まないではないかと久しぶりに会ったのになんだ、この体たらくぶりはと僕自身に喝をいれて、相変わらず男を鞍替えしているのか、と一番気になっていることを、そんな喧嘩越しの言葉でもって勢いよくたずねたら、なによその言い方はちょっとひどいじゃないの。べつに鞍替えしているわけじゃないわよ。ちゃんと好きになるのだけれど、なんかすぐに飽きちゃうのよ。で、よくわからないけどすぐに素敵な男が目の前に現れるであって、私はべつに鞍替えっていうことをしているつもりはないの。ちゃんと愛したうえで、飽きるのよ、と反論してきた。

そうなのか、そうなんだ、悪かったよ、でも、お前はちょっとすぐに男をかえすぎな気がするんだよ、もって3ヶ月くらいだろ、いっつも、なあなあなあなあ、男が悲しむだろそんな、それにお前自体きつくないのか、そんなにどんどん男を変えて、と言うと、なんかすぐ飽きるのよね、2ヶ月前から付き合っている男がいるんだけど、もう別れようと思うの、どうしてだい?と聞くと、昨日はじめてエッチしたんだけど、ひどいのよ、その彼、手こきばかり私にもとめてきて、私はなすすべなしよ。そんな性癖をもっていたから、なんか嫌になっちゃったのよ、私がわるいわけじゃないの、いつも男のほうが、変なのよ、付き合う前は素敵に見えるのに、いざ彼氏ってものにすると、もうだめなのよ、と言ってきたので、はっ、なんだなんだ、男のせいにしやがってさ、なんでも、男のほうが汚らしいと思ったら大間違いだぞ、お前ら女のほうだって、十分汚いんじゃねぇの、お前がいい例だ、そうやって男を誑かしては、捨てて、誑かしては、捨てての繰り返し、といってみると、なによ、だからはじめはちゃんと好きになるっていったじゃないの、誑かしているつもりはないわ、ぜんぜんない、ただ、だめなのよ、男のほうが失望させるのよ、私に罪はないわ、男のほうがちゃんとアプローチっちゅうか、そういうものをもっと、もっと積極的にかけてこないのがわるいのよ、なによ、付き合ったら、肉、肉ばっかり、そんなに肉、肉いうんであれば、畜生とでもすればいいのよ、とイライラした面持ちでこちらに反論してきたので、いや、なにも、すべての男がそういうわけじゃないだろ、肉、肉だけの男だけじゃないだろ、ちがうそれはちがう、ただ単に、それは、お前が好きでも、お前の付き合ってきた男はお前のことなんて好きじゃなかっただけだろ、それは、ただ単に、お前がどんどんアプローチかけたから、向こうもその気になっただけだろ、お前けっこう可愛いから、これは、いただきだ、って向こうが思っただけであって、そいつらは、お前のことを本当に愛しているわけじゃないんだと思う、そうだ!ぜったいそうだ!お前は、お前のことをちゃんと愛してくれるやつを好きになったことが一度もないだけなんだよ!と、こちらもイライラしてきた。

なによ、久しぶりに会って、それ、なによ、それ、久しぶりにあって、説教、私に説教ですか、貴方が大事な話があるっているから、かけつけてきたっていうのに、なに、この不愉快、この店の名前なみに不愉快だわ、まあ、このコーヒーはおいしいけど、なにがボルジュボルジュよ、なによ、それ、貴方の頭の中のぐちゃぐちゃしたその、その、へんな説教くさい頭を表している擬音語だわ、間違いないわ、っは!そんな説教をいうために、私を呼んだのであれば、私は帰るわ、不愉快だもの、なにが、お前のことをちゃんと愛してくれるやつ、よ、そんな、私の恋愛にいちいち、口ださないでよ、ねぇ、恋なんて、そんなもんでしょ?これだけ、世界中に男女、男女がいるのに、そんな一人でおたかくとまれるような男女、男女がいるわけないでしょ、私は健全よ、むしろ貴方のほうがおかしいわ、社会人になっておいて、いまだに、女の味を知らないのだものね、貴方こそどうかしているわよ、風俗にでもいきなさいよ、いつまで、そのぶらぶらしたものをぶらぶらさせたままにしているのよ、気持ち悪い、そっちのほうが気持ち悪いわ、ねぇ、そうでしょ、私のほうが健全よ、この童貞男!!となにやら怒号された。

僕は、かちんときて、なんだ、なんだ、なんだ、なんだ、なんだ!!!最後の言葉だけは気にくわないぞ!たしかに説教くさい話になってしまったのは謝るけど、と、とにかくだな、やめてくれよ、僕が苦しくなるんだ、そういう男をぽんぽんかえるっていう行為をお前がしているところをみていると僕が苦しくなるんだ、やめてくれよ、というと、なによ、なんで貴方が苦しくなるのよ、意味わからないわ、といってきたので、わからないのか、そんなに男と付き合っていてわからないのか、いや、僕がいままでいわなかったのがわるいんだけど、わからないのか!恋って漢字は、ばらしてみると、亦心になるのは、わかるよな?お前が、亦心、亦心、亦心、ってたしかにこの漢字の通り、活動しているのは健全なことなのかもしれないけど、僕は、僕は、いつまでたっても、心、お前だけなんだ、お前しか、僕は考えられないんだ、ずっとそうだった、ずっとずっとずっとずっとずっと、お前しか見ることができなかった、それは、なんどもあきらめたさ、お前が男をつくって別れてはつくって、っていうその行為の間間で、あきらめたり、また僕の気持ちを吐き出そうと奮闘したり、なんども、なんども、その繰り返し、お前が亦心、亦心、って男を変えるたびに、僕の気持ちも亦心、亦心、亦心、どんなにあきらめても、やっぱり僕は、亦、心、お前だけしか考えられないんだ、お前みたいなどうしようもない女を俺は、愛してしまっているんだ、なぁ、答えてくれよ、亦心亦心亦心亦心、最後には僕の心に行き着いてほしいんだよ!本当の恋をしているのは、僕なんだ!と、わぁっっといいたいことを言ったら涙がでてきた。

なによ、それ、意味わからないわ、ちょっと、泣くのやめなさいよ、みっともないからと、心は僕にいい、でもなぜかちょっと微笑んで、ほんのり苦いコーヒーをずずっと音をたてて飲み干した。


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コメント

No title

こんにちは、初めまして。
今日「亦」と「心」で検索をしていたところ、iPadの電子書籍にこちらのSSが載っておりすごく面白かったので配布元を辿ってきました!
すごく珍しい書き方ですが、読みやすく、また始まり出しの一文から一気に世界観に引き込まれました。二人の気持ちが会話からすごく自然にイメージしやすく、大変印象に残るお話でした!
また足を運ばせていただこうと思います。これからも創作活動がんばってください!
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